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サイエンスマンの本格科学メモ

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現代物理、進化論、脳科学など、現代の科学についての個人的思考を中心に記録します。

E = mc2、そして究極の素粒子

ヒッグス粒子の発見が確定され、ヒッグス教授がノーベル賞を受賞しました。これで懸案だった標準模型の問題が解決し、一応の完成をみました。ヒッグス粒子という特殊な素粒子によって、弱い力などでの質量が説明できます。

そうはいっても、どのように質量が発生するかのメカニズムは不明で、さらに重力理論との統合や、宇宙にある正体不明の物質の解明については、その出発点に立ったばかりです。ヒッグス粒子も含めて素粒子の数も多くなり、もはや粒子というイメージでは究極の存在を記述出来なくなっているのかもしれません。

そこで基本的な基盤に帰って、究極の存在とは何かを想像してみることします。とっかかりは、E=mc2 です。核分裂などで質量欠損があるとすさまじいエネルギーが発生しますが、逆に読んで m=E/c2 とすると、質量、すなわち物質というものは、局在化したエネルギーであると、解釈できるでしょう。つまり、素粒子の実体は局在化したエネルギーにすぎない、と。

実体はエネルギーである、というと、雲をつかむような話に見えますが、超弦理論が主張するところもその一例です。超弦理論では、この実体であるエネルギーが一次元、つまり弦状の振動エネルギーである、ということです。エネルギーの形態が振動エネルギーである必然性はなさそうですが、局在化したエネルギーとしてはイメージしやすいでしょう。一方、一次元の振動かどうかも必然性はないようで、こちらは二次元、つまり膜(ブレイン)の理論もあって、次元数には考察の余地がありそうです。

そう見てくると、超弦理論の発展もあながち見当はずれではないように思えてきます。しかし、他のエネルギー形態の可能性もあるかもしれず、理論はまだ発展途上でしょう。エネルギーが局在化する仕組みはもちろんまだ不明ですが、E=mc2 からわかるように、それは変換係数の光速度と密接に関係がありそうです。局在化の法則からきっと光速度一定が導けるでしょう。真空の性質としての局在化から、真空の性質としての光の速度一定が導出できるのでしょう。

もっと先を考えると、おぞらく時間を独立変数にしたままでは理論は完成しないでしょう。時間とはたぶんエネルギーの形態が変化することに過ぎないのかもしれません。時間を測る振子を見ると、位置エネルギーが運動エネルギーに、運動エネルギーが位置エネルギーに変化しています。エネルギー形態が変化しないところでは、時間は止まっているのかもしれません。


by scienceman | 2013-12-18 17:43 | 現代物理

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