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サイエンスマンの本格科学メモ

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現代物理、進化論、脳科学など、現代の科学についての個人的思考を中心に記録します。

素粒子としての弦は何でできているか

さて、素粒子の正体についての続きの話です。ここでは、超弦理論(超ひも理論)を前提にして話を進めていきます。超弦理論は、素粒子を「局在化したエネルギー」とみなす枠組みの一つで、弦の振動エネルギーが素粒子の実体であると仮定します。そして、弦は何でできているかの問に対して、ここではさらに進んで「時空の歪み」と答えます。

すると、どんなことが説明できるようになるでしょうか。

まず、一般相対性理論のアインシュタイン方程式ですが、この式により質量を持つ物質のまわりの時空が歪むことがわかります。それによって重力が働くように見えて、物体だけでなく電磁波の進路さえ曲がります。でも、なぜ物質のまわりの時空が歪むのでしょうか。方程式からはそれはわからず、とても不思議に思えます。

しかし、物質の正体が「局在化した時空の歪み」の固まりであれば、その周囲の時空が歪んでいても不思議ではないでしょう。局在化といっても量子的な意味で固まっているだけで、物質の外で急に歪みがゼロになるわけではありません。

つぎに、超弦理論で弦が相互作用するとき、弦がいったん伸びるような形になって、素粒子を放出したり合体したりします。このように弦は案外伸縮自在のようです。おそらくクォークのような形の素粒子だとそれは難しいでしょうが、時空の歪みならもっとフレキシブルになる感じがします。

それから、場の量子論で素粒子を点粒子とみなして、点が波の性質をもつという不自然な仮定をしているように、超弦理論でも不自然なことがあります。その一つは、幅のない一次元の弦が張力をもつ点です。弦が物質でできている限り、無理な設定に思えます。しかし、時空の歪みなら、一次元になりながら、一方で重力波になれるように、張力も持っていても不思議ではありません。

また、光の速さについて、その由来は時空の歪みが波として伝わる速さということになります。つまり重力波の速さで、これは真空の性質であり、媒体を必要としない波です。伝播は波動方程式に従い、伝播スピードは座標系によらず一定です。そして、時空の歪みが伝わる速さ以上の情報伝達スピードはない、ということになります。

真空の状態についても明快な図が描けるかもしれません。おそらく真空では、ゼロ点エネルギーとして細かい時空の歪みが存在していて、それらが一時的に局在化して対生成と対消滅の過程を繰り返し、仮想の重力子や光子などが生成していると思われます。

話は飛びますが、宇宙の成り立ちについても明快な説明ができるかもしれません。つまり、何もない時空の「無」から、時空の歪みという素粒子を含んだ「有」が発生する仕組みが説明可能になります。この仮説なら、十分なエネルギーがあれば無から有が生まれるのです。真の意味で、宇宙誕生の瞬間が描けるのです。

はじめに真空の時空しかなく、エネルギーとしてその歪みがあるだけでした。歪みはしだいに局在化して弦となり、振動して素粒子となります。そうして、重力子や光子などの素粒子に満ちた初期宇宙が誕生します。

というふうに、いくつか明快に説明できることはありますが、内部にいくつか不明の点もあります。まずは局在化の仕組み。それと関係しますが、時空の歪みが開いた弦として安定して存在するかどうか。など、まだまだ一つの仮説の域かもしれません。

また、我々の身体が時空の歪みの固まりにすぎない、という説はきわめて衝撃的で、それは先祖がサルに似た動物であるという、進化論の比ではないでしょう。進化論でさえ信じない人がいるくらいですから、これはなおさらでしょう。簡単に言えば、物質はイリュージョンであるということですから・・・。

ただ、考えてみれば、我々の身体の99%以上(たぶんそれよりずっと100%に近い)は真空であって、すかすかの素粒子集団にすぎません。我々の身体も、本当は想像を絶する世界です。そして、宇宙には時空しか存在しないという、これだけシンプルな宇宙観となると、かえって本当かもしれないという気もしてきます。


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by scienceman | 2014-05-05 17:08 | 現代物理